最終更新日:2021年12月24日

家庭用蓄電池の寿命は?寿命の目安となるポイントと長持ちさせるコツ

家庭用蓄電池があれば停電時でも電気を利用でき、さらに普段の節電にも役立てることが可能です。
家庭用蓄電池は消耗品であり長く使い続けると寿命を迎えますが、同じ蓄電池でも設置環境や使い方によって寿命の長さは変わります。

「せっかく高いお金を出して家庭用蓄電池を設置したのだから、少しでも長く使いたい」という方は少なくないでしょう。
当記事では、家庭用蓄電池の寿命の目安および家庭用蓄電池を長持ちさせるためのポイントなどについて解説します。

1. 家庭用蓄電池の寿命は「約10~15年」

家庭用蓄電池の寿命は「約10~15年」

リチウムイオン電池などに代表される 家庭用蓄電池の寿命は、基本的に10~15年程度 です。
しかし近年は性能のよい家庭用蓄電池が増えており、使い方次第では15年を超えても問題なく使えるケースもあります。
実際の寿命は蓄電池の種類・容量・使用環境などに大きく左右され、また寿命に関する表示方法もメーカーによって異なるため、あくまでも目安程度にとどめておきましょう。

家庭用蓄電池の法定耐用年数は6年と定められていますが、法定耐用年数は減価償却を迎えて税法上の資産価値がゼロになるまでの年数です。
そのため、蓄電池そのものの寿命とは関係ありません。

2. 家庭用蓄電池の寿命の目安となるポイント3つ

家庭用蓄電池を導入する前に確認すべき要素はいくつかありますが、「少しでも寿命の長い蓄電池を選びたい」「長く使って初期投資を回収したい」という方も多いでしょう。

次に解説するいくつかのポイントから、家庭用蓄電池の寿命を大まかに予測することができます。

2-1. サイクル数

サイクル数は蓄電池の充放電回数を示す数値であり、残量0%の状態から100%まで充電した後再び残量0%になるまで放電するサイクルが1サイクルです。
このサイクルを繰り返すうちに、少しずつ寿命が減っていきます。

家庭用蓄電池を普通に使っていると、残量が0%になるまで放電されることはまずありません。
残量0%の蓄電池をしばらく放置すると完全放電されてしまい、寿命を迎える前に使えなくなってしまうためです。

加えて、本体の劣化を遅らせるためにはある程度の残量を保ち続ける必要があります。
それ故に1回の充放電で完全に1サイクルとなることは少なく、厳密には充放電1回あたりおよそ0.5~0.7サイクルとなります。

近年の技術革新によって高性能な家庭用蓄電池が増えており、なかには12,000サイクルを超えるものや1日2サイクルを基準とするものも少なくありません。
また、本体より先に周辺機器や基盤などが寿命を迎えるケースもあります。
そのためサイクル数は必ずしも蓄電池の寿命と比例せず、また一部のメーカーはサイクル数を公表していません。

これらの理由によりサイクル数から正確な寿命を割り出すことは難しいものの、 1日1サイクルと仮定して大まかな予測を立てることはできます。
例えば6,000サイクルの蓄電池を1日1サイクルずつ使用した場合の寿命は、およそ16年(6,000サイクル÷365日)です。

なお、サイクル数の上限まで使ったからといってすぐに蓄電池が使えなくなるわけではありません。
しかし蓄電池は消耗品であり、経年劣化によって少しずつ不具合が出やすくなります。
家庭用蓄電池を快適に使い続けるためにも、サイクル数の上限に達した場合は早めに交換を検討するとよいでしょう。

2-2. 使用期間

バックアップ電源などの場合、サイクル数の代わりに使用開始から寿命までを示す「使用期間」が明記されていることもしばしばです。

日常的に使う蓄電池と比べて充放電の頻度が低い蓄電池は、サイクル数よりも使用期間を示すことで寿命を予測しやすくなります。
使用期間は各メーカーが定める目安に沿って設定されていますが、 実際の寿命は充放電の頻度や使用環境によってまちまち です。

2-3. 蓄電池の種類

一般家庭でよく使用される蓄電池は、次の3種類です。

 リチウムイオン蓄電池

リチウムイオン蓄電池はニッケルなどの化合物や炭素を電極とし、リチウム塩を電解質とする蓄電池です。
小型かつ軽量でありながら高電圧を安定的に供給できるため、家庭用蓄電池としてもっとも多く使用されています。
また、ノートパソコンやスマホ・タブレットなどのバッテリーとしても有名です。
製品によって寿命はさまざまですが、 おおむね6,000~12,000サイクルまたは15~20年が目安 です。

 NAS蓄電池

NAS蓄電池は硫黄やナトリウムを電極とし、ファインセラミックスを電解質とする蓄電池です。
小型かつ軽量のためバックアップ電源などに多く用いられ、 寿命の目安はおおむね4,500サイクルまたは15年程度 です。

 鉛蓄電池

鉛を電極とし、希硫酸を電解質とする鉛蓄電池は、3種類のなかではもっとも歴史の古い蓄電池です。
生産コストが安く放電性能は安定しているものの本体が重くなりやすいため、自動車用バッテリーなどに用いられます。
なお、 寿命の目安はおおむね3,150サイクルまたは17年程度 です。

3. 家庭用蓄電池を長持ちさせる(耐用年数を縮めない)ための方法

家庭用蓄電池を長持ちさせる(耐用年数を縮めない)ための方法

同じメーカー・規格の家庭用蓄電池でも、使い方によって実際の寿命は大きく変動します。
また、重大なトラブルを防ぐためにメーカーが定める設置方法や使用方法をきちんと守ることも欠かせません。

家庭用蓄電池をできる限り長く、かつ安全に使い続けるためのポイントは、次の通りです。

3-1. 高温環境を避けて設置する

蓄電池の充放電を起こす化学反応は、高温になるほど活発化します。
そのため、高温環境や直射日光が当たりやすい場所で蓄電池を使い続けると、経年劣化が早まりやすくなります。
加えて、蓄電池本体の周辺に熱や湿気がこもると火災・漏電などのトラブルを引き起こしかねません。

蓄電池を設置する際は、 できるだけ直射日光が当たらず風通しのよい場所を選びましょう。
蓄電池を設置できる場所が直射日光の多いところしかない場合は、日よけなどを併用して設置できることもあります。
屋内設置の場合は水まわりを避け、極力密閉されていない場所を選びましょう。

3-2. 過充電・過放電をしない

100%充電されている状態でさらに充電を続けることを、過充電と呼びます。
これに対し、残量が0%の状態でさらに放電しようとする状態が過放電です。
過充電も過放電も蓄電池本体に負担をかけ、寿命を縮める原因となります。

一般的な家庭用蓄電池には自動制御機能がついており、自動的に過充電・過放電を避けるしくみとなっています。
そのため過充電・過放電による故障のリスクはかなり少なくなっていますが、 念のため定期的に確認するとよい でしょう。

3-3. 適切な容量の家庭用蓄電池を選ぶ

家庭用蓄電池の容量ぎりぎりの電気を使い続けるとサイクル数が増え、早めに寿命を迎えてしまうリスクが上がります。
蓄電池を無理なく使うためには、 十分な容量のあるものを選ぶことがポイント です。

適切な容量を知りたい場合は、まず蓄電池に貯めた電気を使ってどの電化製品を何時間動かしたいかを考えます。
十分に余裕を持って使うため、最低限必要な容量よりもひとまわり大きい容量の蓄電池を選びましょう。

(例)消費電力720Wのエアコンと消費電力100Wの照明を1日10時間使いたい場合
【最低限必要な容量】1時間あたりの合計電力消費量820W×10時間=8.2kWh
【奨される蓄電池容量】8.4kWhでは余裕がなくなるため、9.8kWhなどがおすすめ

各電化製品の消費電力は使用状況や季節によって大きく変わるため、専門家に相談しながら選ぶと安心 です。

4. 家庭用蓄電池が寿命を迎えたら?

各メーカーが定める家庭用蓄電池のサイクル数や使用期間は、 「完全に使えなくなる時期」ではなく「蓄電容量が規定量を下回り始める時期」などを示すもの です。
そのため、10~15年以上使用してサイクル数が上限に達した蓄電池もしばらくは問題なく使えます。

しかし充放電を繰り返すうちに蓄電容量が減り、あるいは周辺機器が故障して、最終的に使用不能となることもあるでしょう。

多くのメーカーは、家庭用蓄電池の耐用年数に合わせて10~15年の保証期間を定めています。
容量保証がついている場合は、 保証期間内に蓄電容量が規定値を下回ると無償または格安で交換してもらうことが可能 です。

ただし保証内容はメーカーやブランドによって異なり、通常とは異なる使い方をしていた場合などは交換できないケースもあります。
容量保証サービスを利用したい場合は、まず蓄電池を購入した販売店やメーカーなどに問い合わせましょう。

5. 長持ちさせたい人が家庭用蓄電池を導入する際のポイント

長持ちさせたい人が家庭用蓄電池を導入する際のポイント

家庭用蓄電池や太陽光パネルには、それなりに高い初期費用がかかります。
国や自治体の補助金制度などを活用して初期費用を抑えることも可能ですが、次のポイントに着目することでさらなるコストパフォーマンス向上が期待できます。
初期費用だけでなく購入・設置した後のことも考えながら、慎重に検討しましょう。

5-1. ハイブリッドパワコンがついた家庭用蓄電池を導入する

太陽光パネルで発電した電気や蓄電池に蓄電できる電気は直流ですが、家庭用電力は交流です。
そのため、家庭用蓄電池や太陽光パネルには直流と交流を変換するパワコン(パワーコンディショナー)がついています。
現在出回っている定置型の家庭用蓄電池は、パワコンの違いによって次の2種類に分かれます。

ハイブリッド型蓄電池 太陽光パネルと蓄電池の両方を1台のパワコンで制御する
単機能型(フレキシブル型)
蓄電池
太陽光パネルと蓄電池を別々のパワコンで制御する

ハイブリッド型・単機能型蓄電池の本体寿命に大きな差はなく、それぞれ異なる特徴を持っています。
そのため一概にどちらが優れているとは言えないものの、 太陽光パネルと蓄電池の両方を新規購入する場合などはハイブリッド型がおすすめ です。

ハイブリッド型には1台のパワコンで制御することによって変換ロスを減らせる、停電時でも高出力を保ちやすいなどのメリットがあります。
さらに、 パワコンの設置に必要なスペースが小さいこともポイント です。

5-2. 充実した保証に定評のある業者を選ぶ

初期費用がいくら安くても、希望に合わない蓄電池を買ってしまったり万が一のときに十分フォローしてもらえなかったりしては本末転倒です。
家庭用蓄電池は長く使うものであるため、安心して付き合い続けられる販売・施工業者選びが欠かせません。

ユーザーから好印象を持たれる業者は、基本的に次のような特徴を持っています。

・家庭用蓄電池の取り扱いや施工実績が多く、専門知識が豊富
・メーカー保証とは別に、独自の保証制度を設けている
・アフターフォローが充実しており、問い合わせ窓口が使いやすい
・相見積もりに快く応じてくれる
・むやみに購入を急かしたり、強引に勧めたりしない

近年、蓄電池の訪問販売や営業電話に関するトラブルが増えています。
いきなり蓄電池の購入を勧められてもその場で契約せず、信頼できる業者や専門家と相談しながら冷静に検討しましょう。

6. 家庭用蓄電池の導入なら「エネタウン」がおすすめ!

家庭用蓄電池を少しでも安く、かつ効率よく導入したい方には、エネルギー関連製品の販売・比較見積サイト「エネタウン」がおすすめ です。
エネタウンの主な強みは、次の通りです。

エネタウンの強み
・Webと電話でほとんどのやりとりが完結するため、3密を避けながらじっくり比較・検討できる
・お客様一人ひとりの状況や条件に合わせて、全メーカーから複数プランを提示
・他店の見積もり額をご提示いただければ、24時間以内にさらなる安値を提案することも可能
・蓄電池の設置工事を行う業者は、信頼できる施工業者のみを厳選
・設置後のアフターフォローや、国・自治体への補助金申請サポートサービスが充実

エネタウンでは、さまざまなメーカーの家庭用蓄電池や運用プランをご自宅からゆっくり比較・検討できます。
3密を避けたい方はもちろん、近くに販売店がない方や忙しくて販売店へ行きにくい方にもおすすめ です。

さらにエネタウンでは、定置型蓄電池に加えてポータブル蓄電池やV2Hなども取り扱っています。
家庭用蓄電池の設置が難しい賃貸・集合住宅にお住まいの方や電気自動車をお使いの方も、エネタウンへお気軽にご相談ください。

まとめ

家庭用蓄電池の寿命は10~15年程度と言われていますが、寿命を迎えたからと言ってすぐに使えなくなるわけではありません。
ただし寿命を過ぎると少しずつ蓄電容量が減って不具合なども出やすくなるため、早めに交換・買い替えを検討すると安心です。

家庭用蓄電池を長く使うコツはまずライフスタイルに合った容量を選ぶこと、そして高温多湿の環境や過充電・過放電などを避けることです。
ご自身に合った家庭用蓄電池を購入したい方、そして家庭用蓄電池の運用について不安がある方は、お気軽にエネタウンへご相談ください。

監修

エネワールド株式会社 お客様サポート部 岸上朋子
エネワールド株式会社 お客様サポート部
岸上朋子

「お客様にピッタリの蓄電池をご提案する」ことをモットーに、エネタウン.jpを運営しています。

蓄電池やV2Hをご検討の方とのやり取りだけではなく、エネルギーに関する記事の執筆や監修を通して、卒FIT後の太陽光発電について皆様のお役に立てるよう、日々業務に取り組んでいます。

特に難しい「補助金についての解説」は、わかりやすくを念頭に、伝える努力をしております。 エネルギーの事ならいつでもお気軽にご相談ください!