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ダイナミックプライシングによる充電シフトで家計も環境も嬉しいDP補助金を活用しよう

補助金の背景

DERなどと同じ大分類に位置する補助金で、市場の電力が枯渇したり、逆に無駄に余ったりしないように電力市場の安定を図るための試みです。
詳しくは、DER補助金の方にも書いてありますので、良ければこちらもご覧ください。

令和3年度の国の蓄電池補助金「DER」ってなに?

補助金の正式名称は、
蓄電池等の分散型エネルギーリソースを活用した次世代技術構築実証事業費補助金
「ダイナミックプライシングによる電動車の充電シフト実証事業」

今後、EV (Electric Vehicle: 電気自動車)は、どんどん普及していくことが予想されます。
しかし、EV所有者が増えることで起こりうる問題点として、電力の市場価格の高騰が挙げられます。

なぜなら、EVを所有している多くの人が、「昼間は仕事や学校に出かけ、夕方戻ってきた時に、一斉にEV車を充電した」とすると、 夕方の電力は一気に枯渇し、電力の市場価格が高騰してしまう可能性があるからです。

そういったことが起こらないように、小売電力事業者が新たな電力メニューを提供することによって、どれだけ皆さんが充電するタイミングをシフトしてくれるかの実証実験を行います。

この補助金に参加するには、現在契約している電力会社を変更する必要があります。
しかし、電力会社やメニューを変えた後も、ほとんどのご家庭では補助される額に比べ、電力メニューの変更はとても小さな負担になることが多く、他に特に要件もないので、お勧めの補助金になります。

卸電力市場に連動したDP電力メニューの料金イメージ
V2Hの製品一覧を見に行こう

補助金概要

ダイナミックプライシングによる電動車の充電シフト実証事業のスキームは、「小売電気事業者等」が行うDP提供事業と、「EV、PHV/PHEVユーザー」が実証参加者として行う充放電設備導入事業の2つに分かれています。

支給条件

・専用のダイナミックプライシング電力メニュー(DP電力メニュー )に切り替えること
・アプリやメッセージ、メールなどで割引通知等の連絡が受け取れること
・EV、PHV、PHEVを持っている事 (新車、中古、導入時期など不問)
・充電行動のデータ収集への承諾する事
・実験終了後のアンケートに回答する事

ダイナミックプライシング(DP)提供事業の事業イメージ

対象の機器と補助金額

実証協力金 6万円

新規V2H導入時の機器費用 導入費用の1/2を補助 上限75万円  ※
※  一般社団法人次世代自動車振興センター(NeV) に、令和2年度3次補正「クリーンエネルギー自動車導入事業費補助金」でV2H充放電設備として承認された型式のものであること。又は充電シフト実証に活用する設備として個別にSIIに認められた設備であること。

充放電設備導入事業の事業イメージ

設備設置工事費 上限40万円(個人) / 95万円(法人)  ※
※ 補助対象設備の導入に不可欠な、基礎工事、据付工事、電気工事等の直接工事費が対象。
※ 補助対象設備以外の設備(太陽光発電、蓄電池、EV車等) の導入に係る経費は補助対象外。

実証実験の内容

実証実験の内容は非常にシンプルです。
例えば、メール等あらかじめ決められた方法で、翌日の割引時間に関する情報が送られてきます。
割引される時間帯が「昼の11時から13時」と通知が来たとしましょう。

当初は18時以降に充電しようと思っていたが、予定がつくので12時から満充電しようと、このような充電時間をシフトしてくれる人がどれくらいいるか等、割引プランによってどれくらいユーザーの行動に変化があるかのデータを取る実証実験になります。
参加者は時間帯が合えば、割引時間に充電することができるので、電気代が下がり、充電シフトをすればするほどお得になる実験です。
※ 現在ご使用のメニューやお客様の電力使用方法により異なります。必ず安くなることをお約束するものではありませんので事前に自分でもシミュレーションください。

ちなみに充電時間をシフトできない(仕事や用事等の)時間帯であったとしても、ペナルティなどはありませんので、ご安心ください。
なぜシフトできなかったのか等の理由も実証実験には大事なデータです。
しっかりとアンケートに反映させましょう。

ダイナミックプライシングによる電動車の充電シフト実証実験の内容イメージ

対象エリア

DP補助金の対象エリア

今回の補助金申請は、V2Hの販売事業者が直接申請することができません。
実証実験で承認を受けたコンソーシアムリーダーが申請します。
コンソーシアムリーダーがDPメニューの提供者でもあるため、各社の内容を検討し、申込みをすることが必要です。

今回、本補助金のコンソーシアムリーダーは5社採択されています。
エネタウン.jpは、すべてのDP提供者と連絡を取り、交渉の末、5社のうち4社が受け入れ可能と返答くださいました。
エリアが限定されている会社もありますが、沖縄・離島を除く全国対応の会社もあるため、ほとんどの方がご利用いただます!

実証実験の対象者

DP補助金実証実験の対象者

EV、PHV、PHEVを持っている方で、家に充電設備があれば参加可能です。
過去にV2Hを導入されている方も、電力メニューを変更すれば、実証参加協力金の6万円だけは獲得できます。

通常の200V充電器でも検証可能なアグリゲーターもいますので、V2H導入は必須ではありません。
ただ、前回のV2H補助金のように新車購入の要件がなく、V2Hを安く導入できる魅力的な補助金ですので、ぜひこの機会にV2Hの導入をご検討ください。

申請期間

V2Hを新規に導入して、実証実験に参加する場合の申請期間は、2021年11月30日まで です。

補助金申請後、約2週間程度で結果が通知される予定ですが、必ず実証実験時に実証実験に参加できる状態にしておかなければ、補助金はおりません。
V2Hを新規設置の場合は機器の発注期間や工事期間、その後の電力連携の確認期間を考えると感覚ですが、9月ごろまでには申請をしておかないと実験に間に合わない計画もあります。

また、そのほかの補助金と同じように、予算に到達すれば締め切られますので、ご注意ください。

市場連動する再エネ電力DPメニューについて

まだ正式なDPメニューを出されていないところが多いですが、昨年の市場電力高騰の話を知っている方であれば、「市場連動型」という事に不安を感じている方もいるかもしれません。
実は現在では、ほとんどの会社は、市場電力の高騰が起こったときのために、キャップといって電力料金の上限を設けています。
電力メニューを選ぶときに、キャップがついているか、どのあたりで上限を設けているのかなど、詳しく尋ねてみることをお勧めします。

すでに内容を公開されているDPメニューには、やはりしっかりと、このキャップがついていました。
後は連動型という事で、あまり料金に差が出せない中、どうやって各社の特色を出して来るのかを楽しみに見守っております。

それでも不安という方には、一言。
今回の実験は単年度なので、1年そのメニューを体感して、やっぱり前の契約の方がいいな、他のところがいいなとなった場合、切り替えていただく事ができます。
電力会社の選択や切替は、柔軟で自由なんです。

各社、実証実験のためだけのメニューではなく、EV車ユーザーにとっていいと思えるような魅力的な電力メニューを考えていると信じています。
※ 季時別や、オール電化プラン等、すでに無くなったプランには、解約すると戻せませんので、ご注意ください。

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その他の補助金(環境省の補助金)について

各社はまだ採択されたばかりであり、まだ詳細が決まっていないところもありましたので、今後も進捗を追記していきます。
ただし、申請できる状態の会社もありますので、導入を検討されていらっしゃる方は一度ご相談ください。

新車購入を考えておられる方は、新車にも補助金が付く環境省の補助金をお勧めしております。
環境省で補助金をもらったうえで、DP実証実験にも参加するという事は可能なようですので、都度ご相談ください。(この場合は、実証協力金のみ加算されます )

V2Hを補助金でお得に購入

環境省と経産省から、EVの新車購入の条件のもと、V2Hの補助金が出るとわかったとき、連日のように問い合わせが殺到し、皆さんのV2Hへの関心の高さを感じました。
しかし、補助金を受け取るためには、新車の購入が必要というハードルの高さもあり、断念された方もたくさんいらっしゃいました。
そのため、私たちとしても、すでにEVをお持ちの方でも、V2H導入時に使用できる補助金がないか、ずっと探していました。

このような経緯もあり、今回のDP補助金について、まずは一番にお伝えしたくて、コラムに書きました。
まだまだ決定していない部分も多いですが、申請期間も短いものになります。
気になっている方はぜひ一度ご連絡ください。

エネタウン.jpでは、補助金以外にも皆さんの生活に役立つ豆知識を日々更新しております。
ちょこちょこチェックしに来てくださいね!
本日も、お相手は岸上朋子でした。