蓄電池辞書 蓄電池用語集

蓄電池に関する用語を判りやすく解説

鉛蓄電池

(なまりちくでんち)

蓄電池の1種で、1860年フランスのプランテG.Plantéにより考案された。
その後、改良され実用化されたのは1879年のことでした。

100年余の歴史をもちますが、現在は新素材の開発によりコンパクト化、高性能化、保守の簡素化が図られています。

電解質溶液として比重約 1.2の硫酸水溶液を使い,その中に陽極として過酸化鉛,陰極として鉛を浸した電池です。
放電時には硫酸が消費されて,両極でともに硫酸鉛が生成しますが、充電すれば元の状態に戻すことができます。

出力電圧は約 2Vで、電流容量が大きく、自動車などに現在広く使われています。
電極材料の鉛も安価なので、電池の中では世界で最も生産量が多いです。

短時間で大電流を放電させても、長時間で緩やかな放電を行っても比較的安定した性能を持ち、ほかの電池と異なり、放電しきらない状態で再充電を行ってもメモリー効果は表れないのが特徴です。
鉛蓄電池は、蓄電池から発生するガスの対処方法等により2種類の構造に分けられます。

ベント型:別名「液式電池」とよばれ、電解液の入った電槽(電解液と電極を入れる容器)に電極板が挿入されている、鉛蓄電池発明当時から存在する構造の鉛蓄電池です。

シール型(制御弁式):電解液をガラス繊維などのマットに染み込ませたり、電解液をゲル化させるなどして密閉させた構造です。流動する電解液がないので、「ドライバッテリー」と呼ばれることもあります。