蓄電池辞書 蓄電池用語集

蓄電池に関する用語を判りやすく解説

バンク逆潮流

(ばんくぎゃくちょうりゅう)

バンク逆潮流は、大規模な発電設備が需要家側に設けられた場合に発生する問題のひとつで、 近年FIT制度による 再生可能エネルギーの買取においてよく取り上げられます。

電力会社の変電所のバンク単位で、高圧系統から特別高圧系統に向かっての電気の流れ(潮流)が発生することで、配電線の電圧品質の悪化や、保護協調の不良を発生させる原因となります。
バンク逆潮流に対応できない変電所では、電圧の異常変動を防止するため、逆潮流に対応した電圧調整を行う自動電圧調整装置を導入するといった対策を行います。

保護協調に対しては、接地形計器用変圧器や事故検出用のOVGRを設ける対策を行います。
これらの工事負担は接続する発電事業者に請求されることになり、各電力会社毎に負担金額の単価が定められています。

2011年以降メガソーラ発電所の建設が建設されようとしましたが、電力会社の系統に接続できない事例が多発することになりました。
太陽光発電は太陽の日照状況によって発電量に大きなブレが出るため、バンク逆潮流を防ぐための措置は電力会社にとっても大きな負担となったからです。

そこで、2013年5月31日に配電用変電所バンク逆潮流に係る「電気設備の技術基準の解釈」、「電力品質確保に係る系統連系技術要件ガイドライン」が改正され、電力会社が発電事業者側にバンク逆潮流に対する配電用変電所の設備対策工事に関わる費用負担を求めることで接続が認められるようになりました。
ただし、改修工事が多発し、工事待ちの状況が長く続くことで、メガソーラの建設がストップしているという問題も発生しています。