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将来の蓄電池がどうなるか、
今後の家庭用蓄電池市場規模がどうなるのかを予測!

将来の蓄電池がどうなるか、今後の家庭用蓄電池市場規模がどうなるのかを予測!
将来の蓄電池がどうなるか、今後の家庭用蓄電池市場規模がどうなるのかを予測!

災害が頻発している昨今、関心が高まってきている家庭用蓄電池。
太陽光の卒FITも相まって、どんどん普及していますが、今後の家庭用蓄電池市場規模はどうなっていくでしょうか。
また、それによってどのような影響が出てくるのでしょうか。
今回は、今後の家庭用蓄電池について様々な観点から予想します。

蓄電池市場の現状

蓄電池市場の現状

2009年太陽光の「固定価格買い取り制度(FIT)」が開始され、国による再生可能エネルギー推進への動きが始まりました。この制度をきっかけに再生可能エネルギーに必要な太陽光発電や蓄電池の普及が進み、2013年東日本大震災以降、消費者の意識が変わって来たことに併せ、日本では再生可能エネルギーを推進する動きがより活発になりました。

蓄電池市場の現状について、主に日本の主要メーカーで構成されているJEMAによる2023年度の報告データから確認していきましょう。

定置用累計出荷台数(台)LIB蓄電システムの出荷実績

  • 2023年度の出荷台数の推移は、16.3万台(前年比114%)。
  • 2011年度からの累計出荷台数は93.0万台となった。
定置用累計出荷台数(台)LIB蓄電システムの出荷実績

定置用累計出荷容量(kWh)LIB蓄電システムの出荷実績

  • 2023年度の出荷容量の推移は、136.9万kWh(前年比125%)。
  • 2011年度からの累計出荷容量は689.0万kWhとなった。
定置用累計出荷容量(kWh)LIB蓄電システムの出荷実績

家庭用蓄電池が注目を浴びている理由

蓄電池市場の現状

どんどん需要が高まる家庭用蓄電池。

どうして需要が高まってきているのでしょうか。蓄電池を導入するメリットは何なのでしょうか。
「自家消費」「電気代削減」「カーボンニュートラル」「災害対策」などがキーワードとなっていると考えられます。

自家消費・電気代削減

卒FITを迎えた既設太陽光があるご家庭の方は、FITの恩恵を受けていたころに比べると売電収入を見込めません。なぜなら売電単価がガクッと下がってしまうからです。
既設新設問わず、太陽光事業者に対しては、作った電気は売るよりも使う時代!とよく耳にします。蓄電池を販売するときのキラーフレーズ的にもなっていますが、昼間大量に作って余ってしまう電気を安い単価で売るよりは、自家消費して使い切ってしまう方が、実際とても効率的とも言えると思います。

また、昨今の電気料金の高騰が著しいという現状から、電気代削減というワードもよく目にします。作った電気をためておいて、夜になって発電しない時間帯でも昼の余剰電力を余すことなく使う。そうすることで電気代削減に繋がり、経済効果を生むとも考えることができるのではないでしょうか。

カーボンニュートラル

2020年10月、政府は2050年までに温室効果ガスの排出を全体としてゼロにする、「カーボンニュートラル」を目指すと宣言して以来、再生可能エネルギーへの注目が一気に高まりました。その中で電力部門では脱炭素化を実現するため、再生可能エネルギーは最大限導入すると指針が示されたことから、コストを削減しつつ、周辺の環境との調和を図りつつも変動する出力を調整していくために蓄電池を有効活用していくことが必要となってきます。 脱炭素社会を実現するためにも非常に重要な立役者ともなりそうです。

災害対策

災害対策として家庭用蓄電池導入を想像する方も多いのではないでしょうか。 実際、家庭用蓄電池のお問い合わせは、直近に起こった災害の状況を見て蓄電池導入のご相談をいただく方や実際に被災されたなどが数多くいらっしゃいます。

東日本大震災が起こった際、停電の復旧にかなりの時間を要しました。
震災の際には東北電力エリア・東京電力エリア・北陸電力エリアで多くのダメージを受けました。
全体の約80%が停電発生から復旧までに3日、約14%が8日要しました。
その他の地域では、停電から復旧までに3カ月以上かかった地域もありました。
原子力発電や火力発電所など、電力を供給する大規模設備に頼っていると、災害が直撃したときの被害も甚大です。

大規模な災害による停電は、数日から数カ月に及ぶ可能性もあります。
これから起こるとされている南海トラフ地震など、これからくる大きな災害に備えるという意味で注目が集まってきています。

今後の家庭用蓄電池市場規模はどうなる?

今後の家庭用蓄電池市場規模はどうなる?

家庭用蓄電池を導入する上での問題点というと、機器本体の価格がまだまだ高く、採算がとりにくいというところがよく上げられます。ここにさらに工事費がかかってくるため、そう簡単に「じゃあ導入しよう」とはいきません。
そんな家庭用蓄電池の市場規模はどうなっていくのか、再びJEMAが発表している資料を参考にしてみましょう。

JEMAの蓄電システムビジョン(Ver.7)では、2030年の家庭用蓄電システムの導入台数は約182万台(約1,000万kWh)増加するポテンシャルがあると発表しています。
分析結果として、ユーザーの目的に合致した容量のバリエーションを準備することや太陽光との同時設置比率を向上させること、パワーコンディショナを一定期間以上使用している卒FITのユーザーへのリプレース提案が市場拡大のために重要な取り組みだ発表されています。
また、製品提案だけではなく、それに伴った支援制度設計、整備も今後の市場拡大のためには重要な要素になると考えているようで、今後も家庭用のみならず、蓄電池システム全体の市場が活性化されていくのではないかと予測することができます。
メーカーの努力などもあり、今後は蓄電池システムが身近な機器となってくるかもしれません。期待が高まります。

現状、蓄電池はまだまだ簡単に導入することができないと言える価格帯の機械です。普及にも時間がかかっていますが、実証実験なども積極的に進められており、これに参加することで補助金を受けられるなど、国からの財政援助も始まっています。

まとめ

まとめ

JEMAのデータからも分かるように、家庭用蓄電池の需要は年々高まってきています。ディマンドレスポンス実証実験なども進められており、国レベルでの財政支援がさらに強化されれば家庭用蓄電池市場規模はどんどん拡大していき、さらに普及されていくと予測することができます。
これまで採算性が課題として指摘されてきましたが、普及するにつれ蓄電池価格が落ち着いてくることで採算性が高まり、蓄電池を導入することによる価値を見いだせるのではないでしょうか。
これからのメーカー努力、家庭用蓄電池市場から目が離せません!