蓄電池辞書 蓄電池用語集

蓄電池に関する用語を判りやすく解説

NAS電池

(なすでんち)

NAS電池は日本ガイシが東京電力と共同開発した世界初のメガワットクラスの電力貯蔵システムです。

NAS電池のプラス極にはナトリウム、プラス極には硫黄、そして電解液には有機体であるファインセラミックスが使用されており、ナトリウムイオンと硫黄の化学反応によって充放電を繰り返します。
大容量で高エネルギー密度、更には長寿命なのに、大きさは鉛蓄電池の約3分の1とコンパクトサイズ、長期にわたる安定した電力供給が可能であることが特徴として挙げられます。

設置場所の制約がないこと、高エネルギー密度の割に安価な点がメリットとして挙げられますが、その反面、作動時には300度を維持する必要がある上、使用しているナトリウムと硫黄が危険物指定されているので、作動時の安全性や事故発生時の対策に大きな課題が残ってしまうデメリットを伴います。

事実、NAS電池は今までにも何度も火災事故が起こった報告が出ており、しかも火災時には有毒ガスが出るため、作動時の安全性の確保は切実な問題と言っていいでしょう。

徹底した安全対策が用意され、安全に使用できることが保証されてその性能を発揮できれば、さらに節電対策、エネルギーコストの削減、 環境負荷低減のようなメリットを生み出すことができると期待されている注目の二次電池です。

今後の安全対策確保がNAS電池普及に欠かせない重要ポイントとなってくるでしょう。