蓄電池辞書 蓄電池用語集

蓄電池に関する用語を判りやすく解説

放電容量

(ほうでんようりょう)

規定された条件化で取り出せる(蓄えられる)電気量のこと。
本来は容器が取入れることのできる分量の最大値を言います。

これを拡張して,熱の場合の熱容量,電気の場合の電気容量 (単に容量ということも多い) という用い方もします。

電池は、その使い始めには起電力として公称電圧よりやや高めの電圧(初期電圧)を出力し、放電を行うにつれて電圧は徐々に降下し公称電圧より低めになります。
やがてある電圧を境にその低下の度合いが急激なものとなり、電池を電源として動作していた機器は停止に至ります。
このときの電圧を終止電圧(しゅうしでんあつ)といい、これに達した時点で電池は使い切られたものとみなされます。

電池の容量は、使い始めから使い終えるまでに電池から取り出し、放電した電気量です。
具体的には、放電時の電流(消費電流)Iと終止電圧に達するまでの時間tの積です。

量記号はW単位としてアンペア時(アンペアじ)、Ah(アンペアアワー)が用いられます。
電池の容量は放電時の電流の大きさによって変動するものです。

そこで、実用上は電池の放電特性(電池の製造元から公表される場合がある)を考慮する必要があります。
一定時間tの放電で終止電圧に達するような、一定の電流Iを放電したとき、これをt時間率放電と呼びます。

このときの容量はItとなります。そして、ある特定の時間率放電における容量が公称容量として用いられます。
どれくらいの時間放電率を採用するかは、バッテリーの構造や使用目的によって異なります。

一例として、日本国内の自動車用バッテリーは5時間率、オートバイ用は10時間率、欧州車用は20時間率で表記されています。
一般的には、時間率で規定される電流値よりも大きな電流を取り出そうとすると容量は減少します。

例えば、公称容量が10時間放電率で10Ahの電池から1Aの電流で放電すれば10時間の持続が保証されますが、10Aの電流を取り出した場合は、数字の上では1時間持続することになりますが、実際の持続時間は数分の1になります。