蓄電池辞書 蓄電池用語集

蓄電池に関する用語を判りやすく解説

コージェネレーションシステム

(こーじぇねれーしょんしすてむ)

ガスタービンエンジンやディーゼルエンジン、燃料電池などで発電を行った後に生じるガスなどの排熱を利用して活用するシステム。 コージェネレーション、コージェネ発電、熱電併給システムともいう。

ガスタービンエンジンは圧縮空気の中で燃料を燃やして発生させた高温ガスでタービンを回し、発電する。

この使用後のガスには多量の熱が含まれているものの、通常であればそのまま排気されて空気中に拡散してしまうため、大きなエネルギーロスを生んでしまう。
火力発電所などで利用されているガスタービンでは発電効率が40%程度なので、使用する燃料のうち60%が無駄に消費されていることになる。

コジェネレーションシステムでは、この排熱を利用し、温水や蒸気にして活用している。
温水は施設内での給湯や空調などに、蒸気は蒸気タービンによって別途発電したり、工場などの施設内で利用したりすることもできる。
こうして再利用される熱エネルギーが十分に活用された場合、発電と熱利用による総合的な効率は80%にも及ぶ。

エネルギーの有効利用は、言い換えれば同程度のエネルギーを生み出すのに必要な燃料が少なることを意味しており、二酸化炭素排出量の削減や発電コストの改善につなげることができる。

エネルギーの有効活用という利点を持つコジェネレーションだが、その多くは火力発電所をはじめ、ガスタービンを設置できるような工場や事業所が主なものであった。
しかし最近ではエネファームのようにガスや水素で発電を行い、発電時の排熱を給湯に利用する家庭用のコジェネレーションも普及しつつあるが、 コジェネレーション普及については、まだまだハードルが多い。

通常の発電よりも売電価格にインセンティブがつくとはいえ、温熱利用であれば施設全体の改修やリフォームも必要であり、知名度も導入率もまだまだ低い。
加えて、太陽光発電などと違ってガスなどの燃料費も必要である点も、投資効率を下げる要因になっている。

しかしながら、経済産業省の「平成27年長期エネルギー需給見通し」には、2010年には300億kWhだったコジェネレーションに対して1,190億kWh程度の導入促進を図るものと記載されており、分散型エネルギーシステムとしての普及と活用が期待される。